宙返りはホップが9割

助走を速くすると、宙返りの回転も速くなります

足の固定と、上半身の勢いの差が回転力になる

博士! 助走が速いとなんで回転が速くなるの? なんとなくはわかるんだけど…

宙くん

なんとなく分かっててもちゃんと理解しようとするのが偉いね! 助走の速さが回転の速さにつながるのはね、一瞬助走が止まるからだよ!

博士

助走が止まる?

宙くん

そうさ 例えば前宙で、地面を蹴る時って一瞬助走が止まるだろう? 今まで走っていたのに、一瞬だけ地面に足が固定されるよね

博士

この時に回転が始まるんだ! 足は固定されてるのに、上半身は助走の勢いがそのまま続くから、足元を中心とした回転運動になるんだよ

博士

道端で転ぶ時も、足先は止まっているのに上半身だけ勢いそのままに投げ出されて回転するよね

博士

なるほど! この回転が助走による回転力の正体なんだね!

宙くん

そうなんだ だから上半身の勢いが強ければ強いほど、固定された足との差が大きくなって回転は強くなるんだよ

博士

回転力の正体は摩擦力!

実はね、この回転力はもとをたどれば摩擦力になるんだ

博士

摩擦力とは

摩擦力? こすると熱くなるやつ?

宙くん

そうそう それも摩擦力だね 摩擦力があるから、動きが止められて、助走して蹴る時に足が固定されるんだよ 摩擦のない氷上で前宙しようと思っても、足も前に滑っていってしまってうまく前宙できないよね

博士

でもなんでその摩擦力が回転力を生み出すの?

宙くん

実はね、摩擦力が「重心を外した蹴り」と同じような働きをしているんだ

博士

摩擦力は助走とは逆の方向

摩擦力ってどの方向に働いていると思う?

博士

んーと、動きを止めるのが摩擦力だから、もともとの助走の方向の真逆…?

宙くん

正解! 図に描いてみるとこんな感じだね

博士

うんうん

宙くん

摩擦力の方向は重心とはズレている

ここに重心を描いてみると…?

博士

あ、重心からズレた方向だ!

宙くん

そうさ つまり、足を止める摩擦力が重心からズレた方向に働いているから、回転が生まれるんだ

博士

滑りやすいところで蹴ると回転力が小さかったのはこのせいなんだ! バク宙も一緒?

宙くん

バク宙も一緒だよ

博士

ホップは低く、遠くへ

助走を速くすべきなのはわかったね でも、ホップで減速してしまう人が多いんだ

博士

たしかに、ホップで減速していたら意味ないね 逆に助走速いの無駄だし疲れちゃうね

宙くん

そうなんだ ホップで気をつけることは他にもあるよ ホップは

  • 遠くへ
  • 低く

だよ

博士

ホップは遠くへ

さっきの、ホップで減速しないってのと一緒だね 遠くへホップするイメージをもつことで、減速しづらくなるよ

博士

ホップは低く

ホップを遠くって言っても、走り幅跳びみたいに高さも出してしまうとダメなんだ なぜかと言うと、

  • 蹴りが合わせづらい
  • 勢いが落下に向かってしまう

からだよ

博士

蹴りが合わせづらいっていうのはわかる! タイミングがとりづらいよね 勢いが落下に向かってしまうってどう言うこと?

宙くん

上にホップするってことは、蹴りに向かう時には落下しながらだよね? それを跳ね返して蹴りで上昇するためには、とても強い蹴りが必要なんだ

博士

たしかに、ホップで1m跳んだとして、そこから落下のエネルギーを跳ね返すくらいの蹴りって相当だよね

宙くん

そう! だから、助走は速く、ホップは低く遠くへが基本だよ!

博士