混同しがちな二つの重要な「動き」

スポーツの練習で避けられない二つの「動き」について考えます

アクションとモーションの違い

この世界には2つの動きがあるよ

  1. アクション(自分の姿勢の変化)
  2. モーション(自分そのものの位置の変化)

の2つだよ

博士

うーん、難しいなぁ

宙くん

具体例を挙げてみるね アクションっていうのは、 手をあげたり、膝を曲げたりっていう「自分自身の変化」のことだよ アクション俳優とかって言うように、アクションは「自分の自発的な動き」って意味なんだ

博士

それに対して、モーションっていうのは、 前に進んだり、回転したりっていう「人そのものが動くこと」だよ

博士

んーなんとなくわかってきたかも

宙くん

バク宙で抱え込んで回転しているときはどっち?

じゃあ宙くんに問題だ バク宙で抱え込んで回転しているときはどっちの「動き」かな?

博士

抱え込んでいる最中は姿勢の変化はないよね だからアクションではないね でも、自分そのものは動いているから、 モーションだ!

宙くん

さすが宙くん! 正解だよ!

博士

1アクションが1モーションを引き起こす

でもそうしてその2つの動きの区別が必要なの?

宙くん

それはね、人間はアクションでしかモーションを起こせないからだよ つまり、アクションが原因でモーションが結果なんだ アクションが「自分がどうするか」で、モーションは「自分がどうなるか」だよ

博士

博士、それはそうだよ 脚を曲げたりしないと、歩いて前に動くことはできないし、バク宙だって、自分で姿勢を変えないとできないよ

宙くん

その通り! もっと大事なことがあってね、それは、一つのアクションに対応するモーションは必ず一つっていうことだよ

博士

どういうこと?

宙くん

例えば、宙くんが100mを16秒ジャストで走ったとする 1mmも違わない、全く同じ走り方がもう一度できたとすると、何秒で走れるかな?

博士

16秒ジャスト…だよね?

宙くん

そう! それが、「一つの姿勢変化に対応する位置の変化は必ず一つ」っていうことだよ

博士

当たり前じゃん博士!

宙くん

でもね、たまに宙くんも混同している時があるよ 例えば、この前バク宙の練習で、「どうやったら膝を胸に持ってこれるんだ、胸が膝に向かっていって回転力が落ちちゃう」って言ってたよね

博士

あったね! この場合、膝と胸を近づけるっていうのがアクションだよね?

宙くん

そうだね! 膝と胸を近づけるっていう一つのアクションに対して起こるのは一つの「位置の変化」だよね っていうことは、それに対応するモーションが、「速い回転」と「遅い回転」の2パターン生まれるのはおかしいよね

博士

たしかに… でも、抱え込み方に種類があるんじゃないの?

宙くん

いや、抱え込みは、膝と胸の距離を徐々に小さくしていく動きだから、その速さの違いはあれど、一種類だよ

博士

そっかー でも、そしたらなんで「胸に膝がくる」パターンと「膝に胸にくる」パターンの2パターンあるの?

宙くん

それはね、抱え込み動作をする前に原因があるからだよ! 詳しくはこっちのページを見てね!

博士

わかったよ! じゃあ、「もっと回転をつけろ」「もっと高さを出せ」っていうのはあまり意味がないアドバイスなの?

宙くん

そうとも言えるね 実際に自分がどういう姿勢変化をすれば回転が得られるかは説明してくれてないからね 回転つけるために実際に自分は何をすればいいの?ってなるよね 料理の時に、「素材の味を活かせ!」ってだけアドバイスされても、具体的に自分が何をすればいいかわからないのと一緒さ

博士

ただ、上手になればなるほど、「位置の変化」っていう結果に対してどういう「姿勢の変化」をすればいいかわかるようになるよ コーチは、そこを自分で考えて欲しくてそういうアドバイスをしていたんじゃないかな

博士